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雪が融けてきたので

 「彼」ではなく「彼女」なのかもしれないと思った。

 先日作った雪だるまが子供を産みはじめた。
 子供といっても小さな雪だるまを産んでいるわけではない。溶け出した雪だるまの中から様々なものが零れ出てきたのだ。
 どうやら、彼、いや、彼女を作るときに色々と巻き込んでしまったらしい。

 日が経つにつれて、彼女の体から様々なものが零れ出てくる。
 タバコの吸殻。雪見だいふくの容器。キャラクタの描いてある小さな靴。ぞうの形をしたジョウロ。雀の死骸。
 生まれてくるものは次第に大きくなっていく。そして子供を産むたび、彼女の体は小さく、いびつになっていった。

 そして昨日。彼女は命を懸けて最後の子供を産んだ。
 それは本当に子供だった。
 青白い足は三日前から見えていた。だが、子供の上半身は彼女の中心部に埋もれているらしく、なかなか融け出して来なかった。
 もしかしたら、この子供は生まれないまま、彼女と共に次の冬を迎えるのかもしれない。そう思ったこともあった。
 だが彼女は諦めず、ついにその子供を産み落とした。雨の手を借りて。自分の身を水に還して。

 生まれてきた子供を拾い上げると、それは雪だるまの子というに相応しいほど冷たかった。
 愛おしい。
 彼女が産んだ他のものたち同様、私はその子供に対してそんな気持ちを抱いた。彼女の生まれ変わりであるようにさえ思えた。
 この子を育てよう。ふと思った。
 そのためにはまず、大きな冷凍庫を買わなくてはならなかった。今はまだ、そんな金銭的余裕は私にはない。

「狭いけど、少しの間、我慢してね」

 産声に泣いているのか、子供の頬を滴が伝う。
 私はその頬にそっとキスをすると、母親の頭に乗せていたポリバケツにその子をしまった。
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雪が積もったので

 雪だるまを作ってみた。

 積雪が2メートルほどあったので、家の前の道路を往復して作った雪だるまは、気がつけば3メートルの頭と4メートルの胴体を持つと手も大きな子に育っていた。
 あと77センチつけたしてスリーセブンにしたいと思ったので、ポリバケツを頭に被せて高さを増やした。
 今彼は駐車場の契約者不在のスペースで私の家を見つめながら陽の光を浴びている。
 ゆっくりと融けて小さくなっていく彼を見て、年老いると縮んでいくのは人間も雪だるまも一緒なのだなと思った。
 

【自己紹介】

 

【成瀬晶】
ナルセアキラ。※not本名
アラサー。フリーター。
シスターズ(妹)とも…。

カゲロウ
オリジナル小説サイト。
角川ケータイサイトに投稿したものやGARNET CROW歌詞小説等。
リンクは出来ればこちらに…。

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